「現実見なよ」という言葉の棘。
「現実見なよ」
ジャニヲタだったら数万回は言われてると思われる言葉。
そんな夢物語を見ていないで、
実生活と向き合え、と。
私はこの言葉が昔から大嫌いだった。
なぜなら、この言葉をジャニヲタ相手に言うのはちゃんちゃらおかしいと思うからだ。
ジャニヲタって悲しいくらいにリアリストなのだ。
(この記事を書いている途中に私の中で大きな事件が起こった。
文章のテンションがある所から急に変わるが許して頂きたい。)
長くヲタクしてればしているほど、
現実を突きつけられる事が多い。
私たちが普段生きてる世界よりも
格段にシビアな世界を見ているからだ。
自分の無力さを痛感することも少なくない。
例えば。
私は中学生の時、当時関西Jr.だった某相方くんが好きだった。
これに関しては記事も書いたし、知ってる人も多いだろうから簡潔に言うが、
個人的な意見としては、彼は実力も器もデビューするには充分に持ち合わせていたと思う。
しかし、彼の事務所の去り方はあまりにもひどかった。
それでも彼を嫌いになれずに8年が経った。
どんなに、あなたを好きな人はここにいるよ!絶望しないで!ちゃんと好きだよ!と、叫んだところで、彼には届かないのだ。
音信不通、コンサート無断欠席、後に知らされる逮捕。
ジャニーズを応援している活動の中でそんな文字に出遭うなんて思ってもいなかった。
光を失うと人はこうなり得るという事を知った。
今現在、現実を嫌という程突きつけられているのはきっと、Love-tuneのヲタクだろう。
私の友人も顕嵐が好きで、数週間に一度、地獄のLINEが送られてくる。
なぜこうなったかを我々は知る術を持たない。
なので、無関係なヲタクが得られる情報は現実、現状しかないのだ。
解散、脱退、退社、その度に自分の無力さを痛感し、永遠なんてないことを知る。絶対なんてないことを知る。
一度ジャニーズの事は置いておいて、
実生活を見てみた。
彼氏の事で悩み、泣き、酒を煽る友達、ブラック企業に就職したばっかりに摂食障害を起こした友達(同じ会社に入社した友達の友達は統合失調症を発症、後に辞職)、毎日死んだ顔で帰ってきては愚痴しか言わない母、嫁に別れを告げられ月を千円単位のカツカツな状況で貧乏生活をしている父、上辺の付き合いだけは上手くなった大学生、酒が飲めないとハブられるサークル、偏差値や就職した企業の有名度で人を判断する風潮
え、いやいや、みんなこんな生活で、何を楽しみに生きてるわけ?
いやいや、(笑)、え??
現実見なよ、苦しいんだよ、現実は。
私が一緒にジャニヲタしてた友人は
彼氏ができたら人が変わるタイプの人間だった。
どう考えてもその彼氏は最低なのに彼女は結婚する気でいる。
本当に結婚するなら、現実見ない方がその子のためかもしれないとすら思い始めた。
周りを見渡しても、私の周りには幸せそうな人など1人もいない。
一見幸せそうに見えても、その後苦しむ未来が確約されている人も多くいる。
ジャニーズが見せるキラキラの笑顔、最高のパフォーマンスは、痛いほど現実を積み重ねて、厳しさを知って、だからこそ成り立つ輝きなのだ。
ヘラヘラパヤパヤ生きてるだけで、あの輝きは観客にまで届かない。
中にはコイツ全然光ってないなと思うタレントもいる。
小手先で誤魔化す、人に見られるお仕事をこなしているタイプの人は私には光って見えない。
宮尾俊太郎さんの言葉を借りると、
「その人の命が削れて、キラキラしたものが見える。命の破片がキラキラ飛んでいく」
そのきらめきは、10代、もっと若いとティーンエイジャーになる前から、お客様の前で歌やダンスを披露することの重さ厳しさを知った、実生活ではあり得ないくらいにリアリストになったあの子達の命の結晶。
1日でもついて行けない日があると、完全に置いていかれる世界で、
後輩のバックで踊ったり、格差を感じたり、ユニットに入れなかったり、
理不尽と彼らは戦っている。
だけど、それでも彼らはステージに立ち続けるから、アイドルって楽しいんだろうなぁと思う。
この記事をほとんど書き終え、下書きに入れた後に、岩橋玄樹の活動休止が発表された。
個人的な話になるが、私も病気と闘っている。
パニック系とは言われたが、半年通っているクリニックの先生から、まだハッキリと病名は伝えられていないが、きっと近しい病気だと思う。
もっともっと個人的な話になるが、
私も小学生の頃、いじめに遭っていた。
足が遅い私をわざと鬼ごっこで鬼にして帰る時間まで鬼ごっこやめないとか、道の向こうから「デブ」って呼んだりとか。
どうやって解決したか私はよく覚えていない。母親たちの間で話し合いが行われ、私をいじめていた子達から謝られた事はなんとなく覚えている。でも、母に辛いと伝えた記憶はない。
彼は中学はほとんど通ってなかったらしいが、私も一時期、登校拒否ではなかったが、保健室登校をしていた時期がある。
大学生になり、電車に乗ると軽い過呼吸になる事が続き、登校が嫌になって、クリニックに通うことになった。が、今思えば高校生の時から電車で貧血気味になる事が多かった。当時は乗り物酔い程度に考えていたが、もしかしたら既に傾向があったのかもしれない。
岩橋の話と何が関係あるのかというと、
私は彼と同い年で、似たような境遇の中生きて、似たような病気にかかっている。
他人事とは思えなくなっている部分がある。
私は彼のファンではないし、ぶっちゃけ苦手だった時期もあったし、全然彼の事は知らない。
彼は自分の病気、即ち現実と向き合うために活動を休止すると宣言した。
何かハッとさせられた。
私もこの病気は一生治らない、ずっと抱えていくものだと勝手に思っていた。
バイトも辞め、大学もないがしろになってしまって、このまま私は引きこもりになるのかもな、と思っていた。
それこそが、現実逃避だったのだ。
私は彼の休止のおかげで、現実と向き合う事を決めた。
必ず治して、人並みに働き、かいちゃんにたくさんお金を入れようと決めた。
時間はかかるかもしれない。
それでも、自分が好きになれる自分になる為に、頑張ろうと思った。
下書きに入れた「自分の現実を見ても、実生活と向き合っても、
私には不幸になる道しか残されていない気がする、こんなクソ人間」という文章を撤回したい。
幸せになる、自分のやりたい事をやる、つまり、かいちゃんがスーパーアイドルになる道のりを出来るだけ近くで見続ける!!!
それを実現する為に、酒に溺れる友達や、摂食障害を起こす友達がいる、苦しい現実と向き合う事を決めた。ジャニーズのおかげで。
私はハタかは見たら夢物語にしか見えないアイドルの現実を「まだジャニーズ好きなの〜?」と鼻で嘲笑う人たちよりも少しだけだよく知っている。彼らがただのヘラヘラ笑ってわーきゃー言われてる、顔だけの男たちじゃないって事も知っている。
最初はネガティブな記事になっていたが、岩橋玄樹のことがあり、彼のメッセージ、キンプリメンバーのメッセージを受け止め、「現実を見る」ということをポジティブに思い始めた。
苦しいけど、待っててくれる人が居る。応援してくれる人が居る。そう思うと、なんだかできそうな気がしてくる。
それを乗り越えたら、私も彼らみたいにキラキラできるかもしれないとさえ、思えてくる。
アイドルは現実逃避の道具じゃない。
私には現実を見る為に、アイドルが必要なのだ。
今回の件だけでなく、ジャニヲタは悲しい現実、苦しい現実を突きつけられる事が多い。
ジャニヲタっていうか、何か熱心に好きなものがある人はない人より格段に多いと思う。
しかし、それを機に、今まで自分が目を背けてきた現実と向き合うチャンスをくれるのも、自分が熱心に好きなもの、私にとってのジャニーズだ。
「現実見なよ」って私に言った非ジャニヲタの子たちよりも、私は現実を見ていると思う。
苦しい現実を乗り越えた人だけがキラキラ光って、人に何かを与えられる存在になるのかもしれない。そして、そんな存在になることが幸せなのかもしれない。
私の周りは幸せそうな人など居なくて、現実逃避してる人が多いんだな。
私も言ってあげる、現実見なよ。
隣の彼氏、最低野郎だよ????